スマホカメラの性能が上がり、日常の中で当たり前に高画質な写真を撮れるようになった現代、デジタルカメラは更にその上を行く性能へと進化し続けています。
パナソニックのデジタルカメラは、大きく印刷しても綺麗なままの写真や、編集・配信をしやすくした動画など、時代に伴った撮影機能を搭載している機種が勢揃いです。
ところが、デジタルカメラのスペックを調べてみると用語が難しく、どれがどんな数値で、どんな違いがあるのかがわかりにくいと感じる人は多いのではないでしょうか。
この記事では、難しい用語を簡単に解説しながら、
- HC-X2
- HC-X20
の違いについて、詳しく解説していきます。
それぞれの違いを表で確認したい人はこちらへ(記事下に移動します)。
パナソニックのデジカメHC-X2、HC-X20の違いを比較してみた
HC-X2とHC-X20の違いですが、以下の点が異なります。
- 価格
- サイズと重量
- ガンマモード(画調の切り替え)
- デュアルコーデック記録
- 有線での利用(配信方法の違い)
- タイムコードの入出力
- 3G-SDI端子(業務用機材との接続)
- 連続撮影可能時間
詳しく見ていきましょう!
違い①:価格

HC-X2とHC-X20はともに、2022年10月20日に発売されています。
最安値の価格を比較すると、HC-X2は、HC-X20は 363,999円316,000円です。
同時に発売され、見た目もとてもよく似ている2つですが、HC-X2はプロの現場でも活躍できる性能、HC-X20はそれよりも一般向けの機能に絞り価格を抑えたモデルという、用途の違いがあります。
違い②:サイズと重量

HC-X2とHC-X20は、サイズや重量に少しだけ違いがあります。
![]() HC-X2 | ![]() HC-X20 | |
---|---|---|
サイズ (パーツ含む) | 幅211mm 高さ195mm 奥行390mm | 幅209mm 高さ195mm 奥行389mm |
重量 (撮影時のパーツ含む) | 約2490g | 約2430g |
2つとも2kgを超えており、三脚を利用した撮影が主流です。

手軽に使うカメラというよりは、特別な日の撮影や配信向けのカメラなので、「ちょっとしたお出かけ」には不向きなサイズ感です!
違い③:ガンマモード(画調の切り替え)


「ガンマモードの切り替え」とは、簡単に言い換えると「画調の切り替え」です。
例えば人間の肉眼で捉える実際の明るさと、カメラで捉えられる明るさにはギャップが生じることが多いのですが、ガンマモードを切り替えて明るさや色味を調整することで、実際の見た目や見せたい印象に近づけることができます。
このガンマモードの数が、HC-X2は10種類、HC-X20は8種類です。



画像・映像は撮影した後に編集ソフトで色味を調整することもできますが、編集をする場合でも撮影の時点でなるべく正確なデータを納めるのが基本です!
違い④:デュアルコーデック記録


「コーデック」というのは、データの規格のことです。
「デュアル」は二重や二元的といった意味の言葉で(「ダブル」の類義語です)、「デュアルコーデック」は簡単に言うと「2種類のデータ規格」とも表現できます。
データは使用する場面によって、大きいままの方が良い場合と、小さい方が良い場合があるので、伸縮版と圧縮版のデータが記録される機能が「デュアルコーデック記録」です。
HC-X2にはこの機能がありますが、HC-X20にはありません。



この機能がない場合でも、別途編集をすれば画質は変えられますが、簡易に2パターンのデータを呼び出せるという便利機能です!
違い⑤:有線での利用(配信方法の違い)


HC-X2にはLANケーブルを繋ぐ端子がありますが、HC-X20にはありません。
LANケーブルを使用することによって、安定した通信速度でインターネットに接続できます。
2つともスマホのように無線でWi-Fiに接続することは可能です。
また、「配信用プロトコル」と言って、動画の配信にはデータの受け渡し方法・ルールがあります。
こちらは簡単に説明すると、「データをどのように送るかを決めた仕組み」のことです。
HC-X2とHC-X20はともに、「RTSP・PTP・RTMP・RTMPS」という4種類のプロトコルで配信ができます。
とても難しい用語に見えますが、YouTubeやSNS向けの配信をするならば「RTMP・RTMPS」に対応している機種であれば問題なく配信が可能です。
これらの接続も、HC-X2は有線か無線で行えますが、HC-X20は無線でのみ行えます。
また、HC-X20も「USBイーサネットアダプター」を購入すれば、USB-LAN接続は可能です。



RTSPやPTPというプロトコルは、とても幅広い現場で使用する場合にはあったら役立つ可能性がありますが、基本的にはなくても差し支えないものです!
違い⑥:タイムコードの入出力


「タイムコード」というのは、簡単に説明すると写真や映像の時間情報です。
複数の映像や音声を収録して編集する場合、タイムコードが同期できると「位置合わせ」が簡単に行えます。
HC-X2はタイムコードの同期ができますが、HC-X20はできません。
たとえば、2台のカメラで同じ場面を撮影し、2つの映像を切り替えて動画にする際、タイミングを合わせたうえで切り替えるととても自然です。
スマホで撮った簡単な映像の場合、こういった編集は「音の波形」(音のグラフのようなもの)を見て合わせるのですが、「タイムコードの同期」ができれば手動で合わせる必要がなく、時間情報で正確に合わせることができます。
複数の映像や音声を編集する場合、HC-X2の方が、より正確で簡単な編集ができるということです。



編集初心者はまだここまで使いこなせない人も多いですが、慣れてくるととても便利な機能です!
違い⑦:3G-SDI端子(業務用機材との接続)


HC-X2とHC-X20はともに、HDMIケーブルを利用して機材に繋ぐことができます。
HDMIケーブルは、一般家庭でテレビやパソコンにも使われているケーブルです。
HDMIケーブルの他に、「SDI」というケーブルがあります。
HDMIケーブルは一般家庭向けなので、5m以上の長さになるとどうしても映像が劣化してしまうのですが、SDIケーブルは映像業界向けで、それより長くなっても鮮明な映像を伝送できるのが特徴です。
「3G-SDI」はその中でも、100m以上の伝送を可能にしたケーブルで、主に業務用機材との接続に使われています。
この3G-SDIケーブルの端子が、HC-X2にはありますが、HC-X20にはありません。
HC-X2は映像業界でも活躍できるスペックということです。



YouTubeやSNS向けの配信であれば基本的にはHDMIの端子のみで十分ですが、スタジオや外での大規模な撮影を企画するのであれば3G-SDI端子が役に立つ場合もあります!
プロや上級者向けの機能です!
違い⑧:連続撮影可能時間


HC-X2とHC-X20は、連続撮影可能時間が違います。
HC-X2は約3時間50分、HC-X20は約4時間25分の連続撮影が可能です。
性能は基本的にHC-X2の方が上ですが、HC-X20の方が他の機能を簡易化している分、長く撮影できます。



バッテリーは同じなので、機種自体の消費エネルギーの違いです!
HC-X2を選ぶメリットは高性能であること


HC-X2を選ぶメリットは、高性能であることです。
画調の切り替え、タイムコードの同期機能、業務用機材との接続など、複数の機能がHC-X20より優れています。
また、HC-X20と共通の機能ですが、ズームの機能は他メーカーよりも圧倒的に評価が高く、特別な日の映像を鮮明に残せる1台です。
本格的な撮影をしたい人におすすめ
HC-X2は画質が高いことは勿論、タイムコードの同期や、業務用機材との接続もできるので、プロの現場でも活躍できるスペックです。
既に写真や動画を撮ることに慣れていて、ワンランク上の本格的な撮影をしたい人におすすめします。
HC-X20を選ぶメリットは連続撮影時間が長いこと


HC-X20を選ぶメリットは、撮影可能時間が長いことです。
最高約4時間25分の連続撮影が可能なので、外出時の撮影でも活躍します。
配信入門者におすすめ
ツイキャスやポコチャのようなリアルタイムの映像配信はスマホのカメラが主流ですが、編集してからアップロードするYouTubeなどの動画配信では、収益化している大きなチャンネルほどビデオカメラを利用しています。
HC-X2はプロの現場でも使える性能ですが、アマチュアの撮影で使うにはオーバースペックで高額です。
HC-X20は、まだ撮影には慣れていないけど、チャンネルの収益化を目指したいという人にぴったりな一台なので、配信入門者におすすめします。
HC-X2の口コミ・評判


HC-X2の口コミや評判を調べてみたところ、以下のような意見がありました。
良い口コミ
悪い口コミ
HC-X20の口コミ・評判


HC-X20の口コミや評判を調べてみたところ、以下のような意見がありました。
良い口コミ
悪い口コミ
PanasonicのHC-X2とHC-X20の違いまとめ
HC-X2、HC-X20の違いをまとめると、以下のようになります。
![]() ![]() HC-X2 | ![]() ![]() HC-X20 | |
---|---|---|
発売日 | 2022年10月20日 | |
サイズ (パーツ含む) | 幅211mm 高さ195mm 奥行390mm | 幅209mm 高さ195mm 奥行389mm |
重量 (撮影時のパーツ含む) | 約2490g | 約2430g |
ガンマモード (画調の切り替え) | 10種類 | 8種類 |
デュアルコーデック記録 | あり | なし |
配信用プロトコル | 無線:RTSP/RTP/RTMP/RTMPS | 有線:RTSP/RTP/RTMP/RTMPS無線:RTSP/RTP/RTMP/RTMPS |
LAN端子 | あり | なし |
タイムコードの入出力 | 可 | 不可 |
3G-SDI端子 | あり | なし |
連続撮影可能時間 | 約3時間50分 | 約4時間25分 |
価格 (税込) | 363,999円〜 | 316,000円〜 |
なお、価格は記事執筆時点のものですので、最新の値段に関しては下部にある商品のリンク先(Amazon, 楽天, Yahooなど)からご確認ください。
以上のことから、プロに近いクオリティで本格的な撮影をしてみたい人はHC-X2。
本格的なカメラで配信を始めてみたい人は、HC-X20を選ぶのがおすすめです。